石田三成地図と史料でたどる生涯生涯のページへ

手紙を読む 01

昌幸へ、
妻たちの様子を伝える。

慶長5年(1600)7月晦日 石田三成 → 真田昌幸

関ヶ原の戦いに先立つ、一通の返事。
その中に、妻たちを世話する人の名と、安心を伝える言葉がありました。

この一節を読む

ことばを選ぶと、意味がわかります。

書状の一節公開翻刻より

先づ以って

上田市公開の翻刻から抜粋。人名の補注は解説に分け、改行・ふりがなを追加しています。

翻刻の全文を読む

01 / 誰のこと?

あなたがたの奥方は

現代語訳・当サイト

「御内儀」は、相手の妻を敬っていう言葉。「おのおの」「方」と、複数の人を指しています。

信州地域史料アーカイブの解説では、昌幸らの妻についての知らせとされています。

登場する人を確かめる

02 / 誰が、何をしている?

大谷刑部少輔おおたにぎょうぶしょうゆうが
お世話していますので、

現代語訳・当サイト

「大刑少」は、大谷刑部少輔を略した呼び方。大谷吉継のことです。

ここでの「馳走」は、世話をすることを指します。誰が妻たちを世話しているかを、名前を挙げて伝えています。

大谷と真田家のつながり

03 / 何を伝えたい?

ご安心ください。

現代語訳・当サイト

妻たちの世話をする人を示したうえで、心配しないようにと伝えています。

同じ手紙には、挙兵の事情や協力の依頼も記されています。この言葉が届いたときの状況も、あわせてたどってみましょう。

手紙が書かれた状況を読む
一節をつなげて読む

まず、あなたがたの奥方は大谷刑部少輔がお世話していますので、ご安心ください。

上の一節を当サイトで現代語に訳したものです。

登場する人

三成が伝え、昌幸が受け取る。

書いた人

石田三成

昌幸から届いた書状に返事をする。妻たちの様子や、上方の情勢を伝えた。

受け取る人

真田昌幸

大坂方に応じる旨を三成へ知らせていた。この書状は、その知らせへの返事。

妻たちを世話する人

大谷吉継

書状には「大刑少」と登場します。信州地域史料アーカイブは、真田信繁の妻の父と説明しています。同じ7月30日付の大谷の書状にも、昌幸・信繁の妻を預かっていることが記されています。

人物関係・関連書状:信州地域史料アーカイブ「三成ほか西軍諸将よりの書状」

届くまで

知らせと返事が、行き交っていた。

日付は当時の暦です。晦日は月の最終日で、この月は30日でした。

  1. 昌幸から、三成へ

    昌幸が大坂方に応じる旨を、書状で申し送る。

  2. 佐和山に書状が届く

    21日付の書状が、近江佐和山の三成のもとへ到着する。

  3. 三成が、この返事を書く

    挙兵を事前に相談しなかった事情を説明し、妻たちのことを伝える。会津へ向かう使者の案内も頼んでいる。

日付と書状の内容:上田市の解説・翻刻 / 信州地域史料アーカイブの目録

家族の知らせが持つ、もう一つの意味。

この一節が書かれたころ、大名の妻子の所在は、陣営との関係にも関わっていました。同時期の長束正家らや大谷吉継の書状には、人質についての記述もあります。

妻たちの世話を伝える言葉は、味方との関係を保ち、協力を求める政治的な連絡の中にありました。その状況と一緒に読むと、「ご安心ください」の響きも少し変わってきます。

背景に参照した史料:7月29日付の長束正家らの連署状・7月30日付の大谷吉継書状。上の説明は、公開訓読と解説を踏まえた当サイトの整理です。

出典

このページで読んだ資料。

資料名
真田昌幸宛石田三成書状
日付
慶長5年(1600)7月晦日(30日)
所蔵
真田宝物館
確認日
2026年9月17日
翻刻・現代語訳について

古文書を活字にした公開翻刻から、一節を引用しています。原本画像から当サイトが独自に文字を判読したものではありません。表示の改行・ふりがな、現代語訳、ことばの説明は当サイトで編集しました。

上田市の公開ページは「大刑少」を「大谷吉隆」と注記し、信州地域史料アーカイブは「大形少(大谷刑部少輔吉継)」としています。引用は上田市の表記を保ち、人物の説明には後者の「大谷吉継」を用いました。

この一節の「御内儀方」は妻たちを指すため、現代語訳も「奥方」としています。妻子全員の状況を述べた文としては訳していません。

同じ手紙を、もう少し。

真田昌幸へ送った、一通の中から。

慶長5年7月晦日の書状を、三つの一節から読みます。

  1. 01

    妻たちの様子を伝える。

    「御心安かるべく候」。妻たちを世話する大谷吉継の名と、安心を伝える言葉。

    いま読んでいる一節
  2. 02

    なぜ、先に知らせなかったのか。

    「但し今は後悔に候」。事前に相談しなかった理由と、そのあとに続くお願い。

    この一節を読む
  3. 03

    三人の使者に、役目を分ける。

    一人は返事を持って戻り、二人は会津へ。案内役と帰り道まで頼む一節。

    この一節を読む
手紙を読む・目次へ →